
吹き出物の知識
アジアの人たちのメンタリティはどんどんアメリカナイズされているし、言語も英語化が進んでいる。
インターネットもそうですが、国際標準はどうしても英語になります。
アメリカ的な価値観には抵抗もありますが、少なくともグローバルなスタンダードでものごとを考え、行動していかないと、日本はアジアの中でも取り残されるのではないかとものすごく心配です。
◇Y日本を飛び越してアメリカとアジアがつながっていく。
結果として日本は東南アジアとアメリカに挟まれたサンドイッチの間の薄いハムのような状態になりつつある……。
◇Kいや、もはや完全にそうなっています。
だから、日本で教育がどうのこうのと言っているあいだに、日本はどこかに消えてしまうのではないでしょうか(笑)・◇Nしかも、アメリカにおける「ナショナル・インタレスト」は、日本政府が考えているような国益とは違うんです。
本当になりふりなどかまわない。
相手のことを考えないモンロー主義(相互不干渉主義)でやってしまう。
バイオテクノロジーはまさにアメリカのナショナル・インタレストの典型です。
◇K世界を支配しようというね。
◇Nそういう国策があるわけです。
国益イコール国策。
ところが日本はそれができないんです。
その違いが大きなギャップになってベンチャーにも全部影響しています。
DLとか映画の中では、アドベンチャーという言葉を耳にしたことはあったが、私が実際、事業家の口からアドベンチャーという言葉を耳にしたのは、今から約10年前の1986年のことである。
私が当時サンフランシスコの南にある植物のバイオベンチャーであるインターナショナル・プラント・リサーチ・インスティテュート(IPRI)を訪問した際、当時の会長と昼食をしていたときのことである。
話の中に「自分はZフーズという大手の食品会社の研究開発の副社長をやっていた。
この会社の技術力の高さに魅かれて経営者となったが、植物の遺伝子工学が実を結ぶには時間がかかり資金が底をついてしまった。
ベンチャー経営というより今の経営状況はアドベンチャーだ」といった内容のことで、ベンチャーとアドベンチャーの間には違いがあることを知ったのである。
バイオベンチャーは米Aj社の例からわかるようにハイリスク・ハイリターン型のビジネスであり、アメリカには1300社を超すバイオベンチャー企業が存在する。
しかし、その9割以上が売上げのない研究開発を主たる事業とした赤字のベンチャー企業である。
これがアメリカン・ベンチャーだ、ベンチャーの前にアドベンチャーなのである。
アメリカの場合、三位一体というより、この三位が互いに相乗効果を及ぼし合い、プラスの効果をもたらす環境が整っているといえる。
目に見えない科学的コンセプトに投資するエンジェル、そしてハイリスクの優れたサイエンスに取り組む人たちがいる。
そして、研究が進み、サイエンスがある疾病解明のモデルを提供したとき、その疾病解明のモデルを臨床に持ち込んだときどうなるか試してみようということになり、共鳴したほかの投資家が追加投資をすることになる。
試験管の中で生まれたコンセプトが動物を用いて実証されれば、そのコンセプトに付加価値が生まれ、さらに多くの投資家から多額の資金を集めることができるようになる。
その後、臨床試験を始めてヒトでそのコンセプトが実証されれば、付加価値はさらに大きくなる。
バイオテクノロジーのベンチャーとして成功して利益を出している企業は、ほんの一握りといったところで、多くのバイオベンチャー企業は自らの利益を資金源として存続しているのではなく、資本市場からの資金調達で資金需要をまかなっているのである。
つまり、これら多くのバイオベンチャーと称される企業の中には、その日暮らし、その年暮らしの企業が多く、ベンチャーとアドベンチャーの段階の間を行ったり来たりしているところが少なくない。
これは、バイオの研究開発の努力が実り、製品化されて売上げに結びつくのに、最低でも10年間はかかるからであり、その問の資金を調達するすべは資本市場しかないのである。
Aj社が1980年に創業されてから1989年に最初の新薬の承認を取り上市するまでに10年かかり、約3億ドルの資金をつぎ込む必要があったことからも、資本市場であるNASDAQの力なくしてはAjの起業は不可能であったであろう。
このような、顔が水面に出たり入ったりしている企業の多くを支えることができるのは、リスクを取るヒト、リスクマネー、そしてバイオの場合は何といっても革新的な研究内容である。
つまり、サイエンス・ヒト・資金が三位一体となってはじめてバイオベンチャーの創業は可能になアメリカには、リスクは高いがこのようにコンセプト(大学の研究室レベルのデータをもとにして、疾患の解明をするという概念)に投資をする投資家がたくさんいて、この資金がシードマネーとなってスタートアップする。
このシードマネーの多くはいわゆるエンジェルといわれる投資家から出る。
一人ひとりのエンジェルの投資金額は500万円からせいぜい1000万円ぐらいのものであり多額ではないが、それでも数人のエンジェルが集まれば半年分から21年間分の研究資金が調達できるのである。
ベンチャーのスタートアップの成功のカギを握るのはスピードである。
もともと資金のないベンチャーのスタートアップ段階では時間との競争でもあり、長々と審査をするベンチャーキャピタルをあてにすることが難しいのが常である。
おもしろいことに、エンジェルは仲間のネットワークをもっていて互いに投資要件を紹介し合うため、一度あるエンジェルのネットワークの中に入ると、情報網を通じて最初期の段階のベンチャー情報がベンチャーキャピタリストたちよりいち早く入手できるのである。
私の知っているエンジェルの人たちの中にはベンチャー企業の経営者として成功した資産家もいるが、弁護士もいれば会計士もいる。
彼らはベンチャー企業の創業時、各々の専門性を生かして手を貸す訳だが、ベンチャーには弁護士費用を支払うだけの余裕がないことが多いため、提供したサービスの対価として彼らが世話した顧客であるベンチャー企業の株式をその報酬の一部として受け取ることになる。
株式証券の額面は小額であるため、株式数は当然多くなる。
顧客であるベンチャー企業が成功をして次の成長段階に移る際、より多くの資金を求めて資金調達をするわけだが、そのときまでには企業として、時価総額がそれなりに評価をされているために、当然一株当たりの価値はプレミアム分上がっているわけである。
アーリータイムシード創業者等の超人的な努力により、資金調達問題等に対処し、売上げや従業員を拡大させる段階。
系統的な組織や指揮命令系統を持たず、実行が優先される。
独創的な技術やコンセプト、アイデアを基に、個人または複数が事業を志し、企業設立の準備を行う段階。
市場'性や競争相手分析などが行われる。
スタートアップレイター段階資金調達を行い、最低限の経営資源を集積し、企業を設立する段階。
事業開始にともない、経営問題が表面化することが多い。
この段階で半数以上が淘汰される。
企業が大きく成長する段階。
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